ボイラーのブロー水からの熱回収
工場などではさまざまな設備を稼働させており、エネルギー消費量も多いです。その中でもボイラーのように熱が発生する設備なら、熱回収によりエネルギーの消費量を抑えられる可能性があります。ここではボイラーのブロー水からの熱回収ができる可能性についてみていきましょう。
目次
ブロー水とは
ブロー水というのは、ボイラーで使用されている水のうち、外部へ排出される水のことです。
水には通常わずかな不純物が含まれています。その一方でボイラーは、水に熱を加えて温水にしたり水蒸気にしたりするための設備です。水は不純物を含んだ状態で水蒸気になることはありません。不純物は蒸発せずに残ったボイラー水の中にとどまります。そして、蒸発した分だけボイラー水は減るため、不純物の濃度はどんどん濃くなってしまうのです。
それを防止するために、ボイラーは一定割合の水を排出して、新しい水を加えるような仕組みになっています。
ブロー水から熱回収をする方法
ボイラーから排出されているブロー水は、通常150度程度の高温です。これを熱交換器に通すことで、ブロー水から熱回収することができます。排出前のブロー水が通過する配管を熱交換器につなげて、給水管も熱交換器とつなげます。
こうすることで、ブロー水が持っていた熱が給水の方に移動するため、給水の方の水が温められます。ブロー水はぬるま湯くらいの温度になってから排出される仕組みです。こうすることで熱エネルギーを無駄なく再利用できるうえに、これまで給水を温めるのに使用していた燃料費を節約できるでしょう。
食品工場なら導入できる可能性大
ボイラーを使用している工場は多いですが、使用環境は工場によって異なります。ボイラーで高温の蒸気を扱っているところもあれば、それほど高くない温度の温水を扱っているところもあるでしょう。ボイラーのブロー水からの熱回収設備を導入するには、使用環境などを考慮して決める必要があります。
その点、食品工場の場合には食品加工をするためにボイラーを使用し、高温の蒸気を扱っているところも多いです。常に高温のブロー水を排出されるため、熱回収設備を導入できる可能性は大きいでしょう。
稼働しているボイラーの台数が多ければ、それだけ熱回収設備を導入したときの節約効果も大きくなります。
まとめ
ボイラーでは水の濃縮を防止するために、高温のブロー水を排出する仕組みになっていますが、そこから熱回収できます。熱交換器とつなげて、ブロー水の熱を集め給水側に回す仕組みです。これを導入することで、ボイラーのランニングコストを削減できる可能性があります。
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