熱交換器のプレートが割れてしまう主な原因
熱交換器を長く使用していると、プレートが割れてしまうことがあります。その原因を把握しておくことで、不具合や他の箇所への広がりを防止することが可能です。ここでは、熱交換器のプレートが割れてしまう原因について説明していきます。
目次
疲労割れ
疲労割れというのは、金属に繰り返し負荷が加わることで割れてしまう現象のことです。
熱交換器のプレートには常に力が加わっています。その力は決して大きなものではありません。ごく小さな力であるため、金属製のプレートが割れるとは想像し難いと感じる人もいるでしょう。しかし、たとえ小さな力であっても繰り返し加えられることで、疲労割れを引き起こしてしまいます。
また、疲労割れが起こるような使用環境でも、設置したばかりの熱交換器なら特に異常は起こりません。割れる直前までは、問題なく稼働できることが多いです。定期的にメンテナンスを行っていないと、突然疲労割れを起こして稼働できなくなってしまうこともあります。
応力腐食割れ
応力というのは、外から受けた力に対して抵抗するために内部で発生する力のことです。応力があることで、プレートに多少の力が加わっても変形したり動かされたりしないで済んでいます。
しかし、応力が継続的に加わることで、プレートは少しずつダメージを受けていきます。これにより表面部分が割れると、そこから腐食が広がるのが応力腐食割れです。主に金属腐食を起こしている箇所は強度が弱いため、割れるときの起点になりやすいです。一度、応力腐食割れが起こると、どんどん加速して広がっていきます。
凍結割れ
凍結割れは、プレートが低温で凍結されたり、温度が上がった解凍されたりするのを繰り返されることで起こります。金属は温度変化により体積が変化するためです。
また、基本的に金属は温度が低くなると体積は小さくなります。しかし、水の場合には凍結すると体積が膨張するのが特徴です。氷点下の流体と水を使用する際に、先に氷点下の流体を流すことで、内部で水が凍って凍結割れを起こしやすくなります。
氷点下の環境で熱交換器を使用している場合にも、注意が必要です。水が内部に残留した状態で停止させると、そのまま凍結してしまうことがあります。
また、金属は低温になるともろくなって壊れやすくなります。常温なら何ともないような衝撃で割れることがあるかもしれません。
まとめ
熱交換器のプレートには、常にさまざまな負担がかかっています。正常に稼働していても、ここで紹介したような理由で突然プレートが割れて不具合を起こしてしまうかもしれません。そのため、定期的なメンテンスを行い、プレートの状態を把握しておきましょう。
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