二酸化炭素が出るものとは?発生の原因と対策を解説
地球温暖化の原因といわれているのが二酸化炭素です。現在では多くの企業が地球温暖化対策として二酸化炭素の排出を控えるための活動をしていることでも知られていますが、具体的にはどこからどうやって発生するのでしょうか?
この記事では、二酸化炭素の基本を押さえたうえで、企業でできる対策を解説します。
目次
二酸化炭素とは
二酸化炭素とは、化学式でCO₂(CO2)と表される物質で、炭素の酸化物の一種です。
大気のうち0.04%ほどを占める、色や臭いが付かない気体でもあります。主に化石燃料である石炭・石油・天然ガスなどを燃焼すると発生する気体で、地球を暖める温室効果ガスのひとつとしても知られます。
地球に降り注いだ太陽の熱を留め、温める役割をもつ気体ですが、増え過ぎると地球の気温が上昇し、さまざまな影響をもたらします。これが地球温暖化です。地球温暖化に対応すべく、多くの企業が二酸化炭素を減らす対策を実施しています。
二酸化炭素が増える原因
二酸化炭素が増え、地球全体にまで影響を及ぼすほどになった背景には、複数の事象が関係しています。ここでは二酸化炭素が増えている主な原因のうち、代表的なものを解説しましょう。
工業の発展
産業革命を迎えた人間社会は、これまで使っていた家畜や水力・風力ではなく、化石燃料を主に使うようになりました。化石燃料はエネルギー源として大変効率よく、さまざまなものを生産するのに使われています。
しかし、化石燃料を燃やすと二酸化炭素が大量に放出されます。現在は世界中の工業で化石燃料が使われ、燃やされるようになったために、地球全体の気温が上がるほど二酸化炭素が増えてしまったのです。
ライフスタイルの変化
工業の発展に合わせて、人々の生活も豊かになりました。普段の生活にも化石燃料が大量に使われるようになります。工場だけでなく、人間が暮らしていく中でも化石燃料が使われることで、二酸化炭素は大量に放出されるようなりました。
暖炉やかまどを使っていた時代とは違い、現在は電気を使うことの方が多いため、化石燃料を大量に消費して生活しているといわれても、ピンとこない方もいるかもしれません。
私たちが普段使っている電気を生み出す方法の中には、化石燃料を燃やすことによる火力発電が含まれています。このことから、生活の中で化石燃料を使っていなくても、電気を使い続けている限り、二酸化炭素を大量に排出している状態になっているといえます。
森林面積の減少
二酸化炭素が大量に放出されても、森林があればそこに生えている植物が二酸化炭素を吸収し、酸素を放出します。二酸化炭素が大量に増えても、今までなら森林が吸収してくれるため、問題ありませんでした。
しかし、産業の発展に伴い、森林の面積が減少しています。人が豊かになった分、生活に必要な食糧や燃料・建材用の木材などがより多く消費されるようになりました。結果、以下のような森林面積の減少を招くようなできごとが発生するようになったのです。
- 農地への転用
- 焼き畑農業
- 燃料用・建材用木材の過剰な採取
- 違法伐採
- 森林火災
二酸化炭素は産業や人の活動で増える一方、それを吸収する森林はどんどん面積を減らし続けています。これも二酸化炭素が増える原因です。
二酸化炭素の増加の影響
産業革命が起こる前と現在を比べると、地球温暖化によるさまざまな影響が分かります。
- 気温の上昇
- 南極・北極の氷の減少
- 海面上昇
- 生態系の変化
世界中で分かっている影響だけでも、これだけあります。これらの影響は今後もさらに強まるといわれており、早急な対策が必要です。
ただし必ずしも、このすべてが二酸化炭素の増加による影響と断言することはできない点には注意が必要です。主要な原因であることは確かですが、他にも原因となる事項が存在する可能性は十分にあるでしょう。
各国の二酸化炭素排出量
環境省が2019年に発表した資料である「世界のエネルギー起源CO2排出量(2019年)」を見ると、CO2排出量の多い国が分かります。
CO2排出量が最も多いのは中国で、全体の29.4%と3割近い数値を閉めています。次のアメリカが14.1%、インドが6.9%であることを考えると、かなりの量であるといえるでしょう。
日本は全体の5番目に多く、3.1%を占めています。インドの半分程度とはいえ排出量が上位にあたることを考えると、二酸化炭素を抑える対策は必要であるといえます。
二酸化炭素を減らす対策
企業や工場で取り入れられている二酸化炭素排出量対策の中でも、代表的なものを紹介します。オフィスや工場で取り組めるものがあれば、ぜひ参考にしてください。
空調から省エネ対策を行う
二酸化炭素は、物を作るだけでなく発電の家庭でも排出されます。電気使用量を削減できれば、結果的に二酸化炭素の削減につながるのです。電気を使用する設備のうち、無駄が発生しているものがないか探してみましょう。
設備の中でも特に電気使用量が多いのが、空調です。工場などの場合生産しているものや機器により異なりますが、それ以外の施設、オフィスや医療施設・店舗のほとんどが、空調に電力を割いています。
空調にかかる電力を削減できれば、二酸化炭素の排出量を減らす効果が期待できるかもしれません。余裕があれば省エネ効果の高い設備に交換するのが一番ですが、難しい場合は空調のメンテナンスで対応しましょう。
- 空調フィルターの清掃
- 熱交換器の清掃・メンテナンス
- 部屋に応じた適正温度の設定
- ブラインドやカーテンによる遮光
空調はフィルターやフィンをきれいにするだけでも節電効果があります。数週間に1回は掃除しましょう。また、部屋に応じた適正温度を守る・遮光などを通して外気の影響を受けないようにするなども有効です。
LED照明の導入
空調の次に電気を使用しているのが、照明です。LED電球は一般的な電球に比べて、使用電気量が少ないです。電球を新しいものに変えるだけでも、省エネにつながります。電球を変えるのが難しい場合は、つかわない照明をこまめに消すようにするだけでも効果的です。
また、電気料金もその分かからないため、光熱費節約にも有効です。空調の交換やメンテナンスが難しい場合は、照明から省エネ出来ないか検討しましょう。空調ほどではありませんが、まとめて変更すればその分高価を出せる可能性があります。
エネルギーマネジメントシステムの導入
空調や照明の省エネに加えて、エネルギーの見える化も導入しましょう。エネルギーマネジメントシステムは、施設内などで使用されている電気の使用状況を目で確認できるシステムです。
何気なく使っているとオフィスなどでどれだけ電気が使用されているか分かりにくいですが、数値などひと目でわかる状態で確認できるようにしておくと、自然と対策できるようになります。
見える化によりどこを削減すべきかわかるようになるため、ほかの対策の効果も高められます。より効率的に対策をしたい場合におすすめです。
電気自動車の導入
社用車や営業車を電気自動車に変えるのもよい方法です。電気自動車は電気を発電するときに二酸化炭素を排出しますが、ガソリン車よりも少ない排出量で使えます。結果的に、高い削減効果を生み出せるのです。
電気自動車だけでなく、さまざまな設備で省エネや二酸化炭素排出量の削減機能が搭載されています。新しい技術を利用するのも、二酸化炭素の削減対策に有効な方法です。
まとめ
現在、地球上の二酸化炭素は増え続けています。今の環境を守るためにも、個人はもちろん企業も対策に取り組まなくてはなりません。
まずは今の状態でも無理なく取り組めることがないか、探すところから始めることが大切です。もし何から手を付けてよいか迷う場合は、省エネのコンサルティングサービスに問い合わせてみるのもおすすめです。
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