2024.11.19

工場や商業施設のエネルギー診断とは?削減できるコストを見つけよう

工場や商業施設のエネルギー診断とは?削減できるコストを見つけよう

製造業や商業施設、公共機関において、エネルギーコストの高騰や環境負荷の低減が重要な課題になっています。そこで注目されているのがエネルギー診断です。

工場や施設のエネルギー使用状況を分析し、無駄な消費を改善することができるため、効率的な工場・施設運営に欠かせません。そこで今回は、工場におけるエネルギー診断の基本から、取り組むべき業界、診断を通じた改善策実施のメリットなど詳細をお伝えします。

工場におけるエネルギー診断

エネルギー診断とは、工場などの施設においてエネルギー使用状況を調査し、効率を改善するための具体的な対策を提案することです。具体的な対策例としては、排熱回収などが挙げられます。

また、エネルギー診断は、改善策を提案するだけでなく、施策実施後のエネルギー削減量を測定・検証することもあります。こうすることで、診断・対策をおこなった効果を定量的に評価することができます。

エネルギー診断でおこなうこと

実際にエネルギー診断でおこなうことについて、一般的な概略をお伝えします。自社で導入する前に、診断実施のイメージをするのに役立つでしょう。イメージができていることで、診断から改善までスムーズに進めるのに一役買います。

現状把握

最初は、対象施設のエネルギー使用状況を正確に把握することから始まります。過去のエネルギー使用データ(例えば、電気やガス、燃料など)の収集・分析をおこない、必要に応じて使用量を時系列で追跡します。例えば、月別、週別、日別などの単位で消費パターンを分析します。

また、設備の稼働状況を調査し、各設備にどれだけのエネルギーを消費しているのかを把握します。建物の構造や断熱状態、照明器具の種類や使用状況など、調査は詳細におこなわれます。

課題特定

次の段階では、課題を特定します。現状把握でえられたデータをもとに、無駄なエネルギー消費や非効率な運用を特定します。例えば、設備の老朽化や不適切な設定、断熱不足、照明の過剰使用、空調設備の非効率な運転などが課題として挙げられます。

改善策提案

この段階では、単に課題を指摘するだけでなく、エネルギー効率を向上させるための実行可能な解決策を策定します。提案される改善策の例としては、老朽化した設備を高効率なものに交換し、断熱材の強化、照明設備のLED化などが挙げられます。

また、改善策は、それぞれの対策がもたらすエネルギー削減量やコスト削減効果、導入費用、投資回収期間などを予測して提案します。

エネルギー診断に取り組む主な業界

エネルギー診断は、製造業や商業施設、公共機関など各業界で注目され、コスト削減や環境保護に大きな効果を発揮しています。そこで、具体的にどのような業界が導入を進めているのか、メリットなどともにご紹介します。

製造業

製造業がエネルギー診断に取り組む主な理由は、エネルギー効率の改善がコスト削減と生産性向上に直結するためです。企業の競争力強化、環境への貢献など、製造業がエネルギー診断に取り組むメリットは非常に大きいといえます。

商業施設

オフィスビル、ホテル、ショッピングモール、レストランなどの商業施設では、照明や空調、給湯設備などで大量のエネルギーを消費します。そのため、エネルギー診断に取り組み改善を図ることは、コスト的にも非常にメリットが大きいといえます。

また、商業施設は、多くの人が利用するため、社会全体の環境意識向上にも役立つといえます。

公共機関

公共機関がエネルギー診断に取り組むメリットは、公共サービスの質向上や運営コストの削減、環境負荷の低減などが挙げられます。公共機関で、エネルギー効率の高い設備や技術を導入することは、改修工事の発注や新たな雇用機会の創出など地域経済の活性化にもつながります。

エネルギー診断をおこなうメリット

エネルギー診断が企業や施設にもたらすメリットは、経費削減・環境保全などさまざまなものがあります。そこで、診断導入のメリットについて詳しく解説します。

エネルギーコスト削減

施設や工場のエネルギー使用状況を詳細に分析し、無駄な消費を特定します。その結果に基づき、高効率モーターへの交換、断熱材の改善などの施策を講じることで、エネルギー消費量を削減できます。

結果として、電気料金や燃料費などの光熱費の削減につながり、施設の運用コストを大幅に低減することができます。

環境負荷の軽減

エネルギー診断で消費量が削減されると、それに伴い温室効果ガスの排出量が減少します。エネルギー消費の主な原因である化石燃料の使用量が減るため、二酸化炭素排出量が削減され、地球温暖化の緩和にも役立ちます。

また、エネルギー効率の高い機器への交換や、再生可能エネルギーの導入なども、環境への負荷を減らすことができ有益です。

エネルギー診断の前に取り組むべきこと

ここでは、エネルギー診断実施前に、工場が準備しておくべきことについて詳しく解説します。診断導入前に取り組むと、より効果をえることができる可能性があります。

目標設定

例えば、エネルギー消費量を何パーセント削減したいのか、どの程度のコスト削減を期待するのか、温室効果ガス排出量をどれだけ減らしたいのかなどが考えられます。これらの目標を数値で定めることで、より具体的になります。

また、目標を明確にすることで、診断後に実施した対策をどこまで実践するのかといった評価基準にもなります。

専門家の選定

エネルギー診断には、専門的な知識や経験が必要となるため、自社のリソースだけでは対応するのは困難です。そこで、適切な専門家を選定しましょう。

専門家は、エネルギー診断の結果に基づいた改善策を提案するだけでなく、エネルギー効率化施策の実施をサポートすることも可能です。

また、エネルギー診断の経験が豊富な専門家は、最新の技術情報や業界の動向にも精通しているため、より効果的なエネルギー効率化対策を立案することができます。

定期的にエネルギー診断をおこなう重要性

エネルギー診断は、一度実施したら終わりではありません。継続的に取り組むことが肝心です。施設のエネルギー使用状況は、設備の劣化、生産量の変動、季節などにより常に変化するためです。このように、診断を継続的におこなうことで、中長期的なエネルギー効率改善とコスト削減につながります。

MDIのエネルギー診断

MDI株式会社のエネルギー診断は、工場や施設の排熱・熱エネルギー利用状況を詳細に把握し、無駄になる消費の原因を特定することで、省エネ対策や排熱回収の最適化を提案します。

診断結果に基づき、高効率な熱交換器や最新技術の導入、さらには適切なメンテナンス対策など、運用コスト削減に直結する具体的な改善策を提供します。

まとめ

今回は、工場をはじめとする各業界におけるエネルギー診断の意義や効果、そして具体的な取り組みの流れについて解説してきました。

エネルギー診断は、現状のエネルギー消費の把握から始まり、課題の特定、具体的な改善策の提案、そして定期的な見直しを通じて、長期的なコスト削減に役立ちます。

省エネ対策は単なる環境保護や経費削減だけでなく、企業の競争力強化に直結します。MDIでは、省エネ/排熱回収コンサルティングも実施しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
 

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