温室効果ガスの排出量は?世界との比較や各ガスの排出先まとめ

温室効果ガスとは、本来宇宙に逃げる熱を空気中に閉じ込めてしまい、地球の気温を上げる要因になる気体のことです。増加すると地球温暖化が進み、人類が生きられない環境になるでしょう。
温室効果ガスの種類や特徴などを知ることで、日常生活の中でも温暖化について認識することができ、省エネ意識が向上しやすくなります。
本記事では、温室効果ガスについて種類や特徴、どこから排出されるかなどを解説します。
目次
温室効果ガスとは?
温室効果ガスとは、宇宙に逃げる地表の熱(赤外線)を吸収して再放出する特性を持った気体のことです。英語では、Green House Gas(GHG)と呼ばれており、主に7種類のガスを定義しています。
空気中の温室効果ガスの濃度が高くなると、地表にとどまる熱が多くなり、地球温暖化が加速します。
18世紀後半ごろに起こった産業革命後は、技術の発展とともに化石燃料を多く使用するようになり、温室効果ガスの急激な増加を招きました。
産業革命から現在に至るまでに地球全体の気温が上がっているため、人工的なガスの大量発生が温暖化の原因とみられています。
世界の温室効果ガス排出量
国連環境計画(UNEP)によると、2023年の温室効果ガスの総排出量は、約571億トンだったと発表されました。この数値は、前年の2022年より約1.3%アップとなります。
総合的な排出量は年々増加し続けており、今後も対策が必要です。
また、排出量が最も多い二酸化炭素は、2021年で約332億トンです。そのうち、以下の上位5か国で全体の約6割を占めます。
1位:中国:約32%
2位:アメリカ:約13%
3位:インド:約7%
4位:ロシア:約5%
5位:日本:約3%
日本は5位となっており、世界全体と比較しても大量に排出している国のため、責任は大きいといます。
温室効果ガスの影響
温室効果ガスによって温暖化が進むことで、自然環境に悪影響を与えます。気温が上がると、以下のような環境への悪影響があるとされています。
- 気候変動
- 異常気象
- 干ばつ
- 海面上昇
- 食糧不足
- 疫病の懸念
- 生態系へ影響 など
自然環境だけでなく、人間の生活にも支障が出るほどの影響がすでに出始めました。
例えば、海面上昇によって、海抜の低い土地の住宅が水没し、住人が避難を強いられるなどです。
温室効果ガスによって気温が上がり続けると、生態系の崩壊や自然破壊だけでなく、人類も生きられなくなるなどの悪影響があります。
温室効果ガスが全くないのも問題
温室効果ガスが一定量あることで地球の平均気温を約14度に保ち、生態系が維持できる環境になっています。それが全くなかった場合、地表の温度は-19度程度になると言われています。
では、温室効果ガスがあることで何が問題だと言われているかというと、産業革命以後の200年程度という短い期間での急激なガスの増加です。
温室効果ガスの種類と主な排出先
温室効果ガスは以下の7種類に分類され、それぞれ地球温暖化係数(GWP:GlobalWarmingPotential)が割り出されています。
種類 | 地球温暖化係数(GWP) |
二酸化炭素(CO2) | 1ほど |
メタン(CH4) | 25ほど |
一酸化二窒素(N2O) | 298ほど |
ハイドロフルオロカーボン類(HFCS) | 1,430ほど |
パーフルオロカーボン類(PFCS) | 7,390ほど |
六フッ化硫黄(SF6) | 23,800ほど |
三フッ化窒素(NF3) | 17,200ほど |
GWPとは、二酸化炭素の熱を蓄える能力を基準とした、影響力を表した数値です。例えば、GWP25のメタンは、二酸化炭素の25倍程度の熱を蓄える能力があります。
ここでは、7つのガスの特徴や、どの分野から多く排出されているかなどを、解説します。
二酸化炭素(CO2)
二酸化炭素は、最も多く排出されている温室効果ガスです。もともと自然界からも発生しています。人工的には、主に化石燃料を燃やすことで発生するケースがほとんどです。
日本は電力発電や鉄鋼業、自動車などの運輸関連など、エネルギー関連や産業関連からの排出が多いといわれています。
メタン(CH4)
メタンは天然ガスの成分で、良く燃えるのが特徴です。二酸化炭素の次に多いガスでもあります。元は自然界に存在しており、動物の発酵由来のものが多いです。
人工的には、畜産・水田・廃棄物などの産業で多く排出されます。
一酸化二窒素(N2O)
一酸化二窒素は安定しており、寿命が109年程度と長く、影響は大きいといえます。成層圏に到達すると太陽光によって消滅しますが、オゾン層を破壊する物質です。
もともと自然界に存在する気体でしたが、年々濃度が高くなっているのが判明し、懸念が広がっています。主に、堆肥製造や窒素肥料などの農業に関わる排出が多いといわれています。
ハイドロフルオロカーボン類(HFCS)
ハイドロフルオロカーボン類は、本来は自然界に存在しない物質です。そしてGWPが1,430ほどと非常に高いのが特徴です。
塩素が含まれておらず、オゾン層を破壊しないフロンとして幅広く使用されています。
例えば、スプレー、冷蔵庫やエアコンの触媒などに使用されます。化学物質の製造プロセスや建物の断熱材などにも使用されており、汎用性の高い物質といえます。
パーフルオロカーボン類(PFCS)
人工的なフロンで、本来自然界に存在しない物質です。GWPが7,390ほどと高く、環境への影響は大きいといえます。
主に半導体のエッチングガスとして使用されており、製造業からの多く排出されています。
六フッ化硫黄(SF6)
六フッ化硫黄は、自然界には存在しない物質です。
排出量は少ないですがGWPが23,800ほどと非常に高く、寿命が1,000年以上あり、長期間影響を及ぼします。
電子部品の絶縁材に広く使われており、主な排出元は電気部品製造業が多いといわれています。
三フッ化窒素(NF3)
三フッ化窒素は、窒素とフッ素ガスの反応により合成した物質です。有害で助燃性があります。
寿命は740年と長く、GWPも17,200ほどと非常に高いため、環境への影響は大きいといえます。
三フッ化窒素は半導体製造プロセスで使用されており、今後も半導体需要の増加が予測されるため、製造過程で排出されます。
温室効果が非常に高い水蒸気
気温が高くなると海水などが蒸発し、水蒸気量が増加します。水蒸気量が増加すると、さらに温暖化が加速することがわかっています。
しかし、水蒸気は自然の中で発生するため、人類によってコントロールできません。一方、人工的なガスは、コントロール可能です。
人工的に排出するガスを抑えて気温上昇を止められれば、水蒸気量も増えすぎず、温暖化が減速できる可能性があります。
温室効果ガス削減の取り組み
日本では、2030年度に温室効果ガスを2013年比の46%削減を目指し、2050年度には実質ゼロにする目標を掲げています。
参考:2050年カーボンニュートラルに向けた我が国の課題と取組│資源エネルギー庁
目標に向かって行政・企業・個人すべてが、環境対策に取り組まなければいけません。
企業でできる具体的な例は、以下のようなものが挙げられるでしょう。
- 節電・省エネ
- 再生可能エネルギーの導入
- 緑地事業
LED照明に切り替えるなどの節電・省エネが実現できれば、消費電力を減らすことができ、化石燃料の使用量を減らすことにつながります。
再生可能エネルギーとは、太陽光や水力発電など空気を汚さずに継続して利用できる電力のことです。
緑地事業は、二酸化炭素の吸収量を増やすために行う事業です。ビルに芝生や緑のカーテンのような緑地を増やしたり、緑地自体を買い取ったりなどの事例があります。
まとめ
温室効果ガスとは、地表の熱を蓄える特性を持った気体のことで、増加し続けると温暖化を加速させる原因になります。種類が7つあり、エネルギー産業や製造業、農業などの分野から多く排出されるのがわかっています。
総合的な温室効果ガスの排出量は年々増加しており、自然環境へ悪影響を与え続け、最終的には人類が生きられない環境になってしまうでしょう。
将来も人類が生き続けるためには、温室効果ガスを抑制しながら生活する工夫が必要です。
温室効果ガスがどこから排出されているかを知り、身近にできることから始めてみてはいかがでしょうか。
MDIでは、省エネ/排熱回収コンサルティングを行っておりますので、ぜひご相談ください。
関連ページ:省エネ/排熱回収コンサルティング
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