省エネはいつから行われるようになったのか
省エネが重要視されるようになってから久しくなります。すでに省エネを導入している企業も多いでしょう。ではいつごろから省エネが行われるようになったのか、省エネに対する社会の認識はどう変化してきたのか説明していきます。
目次
きっかけはオイルショック
高度経済成長期までは大量生産大量消費の時代でした。当時の企業は、とにかくたくさん製造してたくさん売るという考え方が一般的で、その分エネルギーも大量に消費されていたのです。
この流れは1973年の第一次オイルショックを契機に変わります。原油価格が高騰し、これまでのようにエネルギーを大量に消費し、大量生産するやり方は難しくなりました。
そして、1979年には第2次オイルショックも起こり、省エネ法が制定されるに至ったのです。そのあたりの時代から石油の消費量を抑えるというやり方での省エネが社会全体に浸透していきました。
また、第一次オイルショックが勃発した当時は、発電量の約76%を海外から輸入される化石燃料で賄っていました。これが東日本大震災前年の2010年には62%にまで減っています。
東日本大震災以降の変化
1980年代から東日本大震災前までの間には原子力発電が増えました。1970年代には発電量の内わずか2~3%程度の割合だったのが、2010年には29%程度になっています。火力発電を減らして原子力発電を増やした、ということが見て取れるでしょう。
原子力発電なら化石燃料は使わないため、石油の消費量を抑えるという当時の省エネとしては合理的な方法です。
しかし、東日本大震災により事態は一変します。福島第一原発事故が発生し、全国の原子力発電所がストップしました。地震が多い地域での原子力発電は非常に危険だということが身に染みて分かった出来事です。これにより、また新たな省エネの方法が模索され始めます。
今後はエネルギー効率改善が重要
原子力発電所がストップしたことで、再び発電量に占める化石燃料の割合が増えました。今後重要になってくるのはエネルギー効率の改善です。その点、日本は世界的に見てもエネルギー消費効率が良好なほうで、エネルギー消費量を抑えつつも経済成長への影響は小さく抑えられています。
そして、これまでは主に大企業が省エネを行ってきましたが、さらなる省エネのためには中小企業にも省エネ対策が求められるでしょう。例えば設備の廃熱を有効活用する廃熱利用なら、中小規模の工場でも導入しやすく、工場全体のランニングコスト削減にもつながります。
まとめ
省エネは1970年代に起こった2度のオイルショックを契機に行われるようになりました。その方法は時代とともに変化してきましたが、現在ではエネルギー効率の改善が重要視されています。中小規模の工場などでも、まだ省エネを行っていないところは、廃熱利用などの導入をぜひ検討してみてください。
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